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SOD CAFE
“LOVE”や“FREEDOM”で世界は変わらないので、SOD CAFEへ(嘲)

 はらりと、白いブラウスの前が開き、水井さんの真っ平らで、真っ白な胸が覗きました。
 
 そのときふわり、とたちのぼった、やさしい香り(恐らく安物の牛乳石けんの匂いだったのでしょうが)をわたしは今も忘れることができません。

 「……い、いい加減にしいや………お、大声出すで」

 そして、そう言って泣き腫らしながらも、気丈にわたしを恨めしげに睨んだ水井さんの目つき。

 ああ、これなんだ、とわたしは思いました。
 小学校に入学して以来、というか生まれてきてこの方、ずっと感じ続けてきた空虚。
 それを埋めるために必要なものが、今目の前にあるのだ、と。

 よくわかりませんが、わたしはずっと空しさを感じながらそれまでの10年の人生を生きて来ました。

 頭の悪い人ならば、その心の隙間を埋めるものは、実は『ぬくもり』だったのだ、とか『親からの愛情』だったのだ、とか『仲間との友情』だったのだとか、思春期に差し掛かってからとんでもない思い違いをして、そのまま強引に納得して、その後のつまらない人生を生きるのでしょう。

 しかし、悲しいことにわたしの頭はそこまで悪くなかったのです。
 わたしは、自分にとって何が必要なのか、自分はどう生きるべきなのか、をよわい10歳にして悟ってしまったのです。
 
 わたしは、女が好きなのだ。
 わたしは、女をこんなふうにねぶり回すのが好きなのだ。
 これこそが、自分の生きる道なんだ。

 まるで雷に打たれたようなショックでした。

 このまま行けば、わたしはレイプ魔か幼児わいせつ犯のようなみじめな性犯罪者になっていた可能性もあります。
 そうならずに、すけこましに成長するにあたっては、その後にそれなりの分岐があったわけですが、それはまた後ほど詳しく語ることにしましょう。
 
 「いやっ!!」
 わたしは本能のおもむくままに、水井さんの白い首筋のあたりに吸い付きました。
 なんでも、当たって砕けろです。
 なんで、とりわけわたしが女性の首筋というこれまた10歳のガキにしては恐ろしくまっとうな箇所を狙ったのかと申しますと、これはもう天性のセンスのなぜる技としか言いようがありません。
 
 「やっ………やめっ………って…………て………いう………んっ……てる……や……ろ………んんっ………」

 段々躰の力が抜け、抵抗が弱弱しくなっていく彼女の躰を、おしくらまんじゅうの要領でコンクリの壁に追い詰めると、わたしはさらに白いブラウスの奥底へ……まだ知らぬバラの蕾のあたり(ちょっと表現が詩的すぎましたかね?)……の方向に舌を進めました。
 「やめ、やめって!やめーーーさ!……ちょっと……んんっ!」

 フンガー、フンガー、と、そのときのわたしはまるでけだものでした。
 いや、今だってじゅうぶんにけだものですがね。

 彼女の肌着がのびのびになるくらいまで頭をつっこんで舌を狂わせます。

 と、どうでしょう。

 彼女の動きはますますゆるやかに、抵抗は弱くなり、彼女の鼻からは抑えようとしても漏れてしまう熱い息があふれ出してくるではありませんか。

 「んっ……はっ………んんんっ………んっ………」

 このへんは先ほど、わたしが聞き流していた彼女の複雑な家庭事情に関連し、彼女はこういった刺激に対して、それなりの態勢と習熟があり、当時のわたしなぞには及びもつかないような“高み”にあった、ということの証を見せてくれていたのかも知れません。
 
 まあわたしは必死でしたのでそれを理解することはできませんでしたが。

 その時です。わたしの人生にまたも、新たな転機が訪れたのは。

 「はむっ」
 「………ええっ??」

 水井さんが、いきなり、まさにいきなり、わたしの左耳にやさしく噛み付いたのです。
 「……んっ………はむ………」

 わたしの全身が凍りつきました。
 その瞬間まで全身をはちきれんばかりにしていた熱が、一気に冷え、風呂の排水溝に吸い込まれていくようにわたしから引いていきます。

 「んんっ………むっ………」

 と、わたしより上背のあった水井さんは、たじろいでいるわたしの肩をつかむと、くるり、と態勢を逆転させ、今度はわたしを壁に押し付けました。
 わたしはもう、なすがままです。

 する、と水井さんの舌先がわたしの耳の穴に忍び込み、入り口あたりをからかうように弄ります。

 「あっ……ひっ………おっ………」

 これまで感じたことのないようなくすぐったさに、思わずわたしは身をよじり、頭を逃がそうとしました。しかし、水井さんはわたしの頭をがっしりと掴んで逃がしません。

 「んむっ………」

 今度は水井さんがわたしの唇に覆いかぶさってきました。
 さきほどわたしがしたように……いやそれよりもむしろスムーズに、今度は彼女の舌がわたしの口の中に入ってきます。

 応戦しようと、わたしは舌を動かそうとしましたが、話になりません。

 あっという間にわたしの思い上がった舌は、彼女のもっとしたたかで、しなやかな舌に絡め取られていました。
 
 「む、む、む………」

 わたしはいつの間にか、つま先で立っていました。

 彼女はわたしの舌を弄びながら、前歯を使ってわたしの唇を甘噛みし、ぷるんとした下唇をつかってわたしの顎から鼻の下あたりまでを撫で回し、両手でわたしの髪の毛をトリートメントするようにくしゃくしゃにしてしまいました。

 わたしときたら……真っ白になった意識で、全身に電流のように流れる快感に、ただ打ちひしがれていただけです。

 やっと唇を開放されたとき……情けないことにわたしは、コンクリの壁を背に、ずるずるとその場にへたり込んでいました。

 見上げると、水井さんが、冷たい笑みを浮かべながら……あの少し悲しげな目でわたしを見下ろしています。

 「………あほ」

 水井さんはそう言うと、わたしに食いちぎられたブラウスの前をぞんざいに直すと、ランドセルを拾い上げて、そのまま走っていきました。

 彼女のランドせるがカタカタを音をさせながら遠のいていくのを眺めながら……まだ立ち上がることすらできないわたしは、自分がこれまで以上になく、肉棒を硬くしていることに気付きました。
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 「それからね、あたしに布団を敷かせてな、目の前で服脱げ、いうんやんか……それで……」
 
 退屈な告白の続きを言葉にしようと、彼女が薄く口を開けたその瞬間でした。
 わたしは、10歳のわたしは、まるでインパラに食いつくライオンのように、鼠に飛び掛る猫のように、クソにたかる蝿のように、彼女の薄く開いた唇に吸い付きました。

 「………!?」

 水井さんが目を白黒させています。
 わたしは何も考えませんでした。薄い唇の間に自分の舌をこじいれ、彼女の後頭部に腕を回すと、へし折らんばかりに頭を固定。夢中になって彼女の舌を自分の舌先で捜し求めます。

 「んっ!……んんっ………」

 水井さんのしなやかな躰がわたしの腕の中でくねり、もがきます。

 腕の中、というのはちょっと正確な表現ではないかも知れません。

 といいますのも当時、水井さんはわたしより上背があり、痩せっぽちではありましたがわたしなどよりはずっと体力があった筈ですので、どちらかというとその時のわたしの姿は、たちの悪い子鬼のような妖怪が彼女に飛びついているような様子だったことでしょう。

 「んんっ…………んんっ……んっ!!」

 わたしは舌先で彼女の舌を見つけ出し、“たばたせんせい”で散々鍛えた巧みな舌技で彼女の舌を絡めとりました。

 しょせんは小娘。
 たやすいものです。
 
 「んんーーーーーーっ!!!」

 水井さんの手がわたしのシャツの肩を引きちぎらんばかりに強く握ります。
 わたしはわざと、彼女の口内から唾液を吸い上げました。
 
 ズズーーー……。

 水井さんが目を丸く見開くのを、薄目で確認します。
 そしてすかさず、自らの口内で自らのものとほどよくカクテルした水井さんの唾液を、逆流させるように彼女の口内に注ぎ込みました。
 
 「むっ!……………んっ………ふっ………んんんっ!」

 また彼女が目を見開きます。
 うろたえていたのでしょう。
 彼女のうろたえぶりを感じることで、当時のわたしの胸には言いようのない優越感が広がっていきました。

 義理の親父にいやらしい事をされた?
 それが何だ?
 お前はこんな舌と舌のやりとりを知ってるのかこの小便臭いガキめ。
 ほら、気持ちいいだろう?

 と、水井さんが馬鹿力を発揮してわたしの体を引き離しました。

 「……ぷはっ……やめて!」
 
 一旦は彼女の躰から引き離されたわたしでしたが、諦めはしません。涙に濡れ、狼狽に歪んだ水井さんの顔を見ると、これまで感じたことのないような攻撃性が自分の中で亢まっていくのがわかります。
 
 はっきり言ってこんな攻撃性はこれまで感じたことがありません。

 どれほど同級生の男子児童たちにからかわれようと、理由のないいやがらせやいじめを受けようと、まったく平静を乱されることのなかった当時のわたしの胸は、鼓動の亢まりとともに、冬の日本海もかくやと思われるほど大荒れに荒れていました。

 「いや!……やめて!……っちゅーか……やめーさ!!!

 もがく水井さんの躰に、またも自分の両腕を巻きつけます。

 さて……。

 その先をどうしたものか?

 今となってはこういう局面に立てば、少なくとも頭の中のスクリーンに8つほどの行為の選択肢が分枝として表れ、そのひとつを選ぶか、もしくはそのうちの2~3個をいかにミックスして女を攻め立てるか、立ち食いそば屋で何を食べるか、そばのトッピングは何にするか選ぶくらいの余裕を持って考えることができるわたしではありますが、なにせ当時はまだ10歳です。

 とにかく、実体験がないのだからここは本能にたよるしかない。
 
 わたしは水井さんの唇に再び吸い付くような姿勢を見せて、彼女にフェイントを掛けました。
 と、彼女が二度も不意打ちを食らうまい、と顔を背けます。チャンスです。
 
 わたしが狙っていたのは、顔を背けたことでむき出しになっていた水井さんの首筋だったのです。
 
 「……あっ!……んっ……ちょ、ちょっと………や、や、やめ……」
 
 首筋に吸い付き、舌を這わせました。
 まさに感覚と本能の赴くままに。
 ぴくり、ぴくり、と水井さんの伸びやかな躯がわたしの舌の動きに合わせて明らかな反応を見せます。わたしはなんとも言えない満足感を感じました。
 
 ちなみに、このキスをすると見せかけての首筋へのフェイント攻撃は、一人前のすけこましとなった今でもわたしの得意技です。

 しかしまあ、一体どこでわたしはあのような行動を学んだのでしょうか?

 事実、”たばたせんせい”との濃厚なキス修練以外に、性体験や性知識は皆無に等しい状態でしたし、当時は今のようにパソコンを開けばポルノコンテンツが手に入ったわけではありません。
 でも、わたしは、なんとなーく、女性というものは首筋を責められるのが弱い、ということを直感で掴んでいた。

 これはもう、一種の霊感に近いものであると言わざるを得ません。

 わたしはそうした霊感に従って、水井さんへの攻めを続けました。

 さらに彼女の躯に手足を強く巻き付けます。
 両腕は彼女の二の腕をそれぞれ固定すると、背中で自分の左手と右手をガッチリとドッキング
 両太ももで彼女の左太ももを挟み、万力のようにギリギリと締め上げます。

 激しく硬直していた肉棒が彼女の跳ね返すように堅い弾力を持った太ももに擦れ、とても気持ち良かったのを覚えています。
 
 「あっ!…………い、いやあ……」
 
 彼女はわたしから受ける首筋への攻めを躯をよじることで交しながら、腰を振ってわたしの太ももの間から自分の脚を逃がそうとしていました。
 

 複雑な事情の家庭でそれなりの体験を積んでいた(であろう)彼女のことです。


 恐らく、ズボンの下からとは言え、わたくしの肉棒の剛直が、自らのむき出しの太ももに触れていること、そしてそれが彼女に対するわたしの、どんな感情を意味しているかは……充分に理解できたことでしょう。

 
 「ひっ!……ちょ、ちょっと!」

 わたしは彼女のブラウスの胸元のボタンを強引に前歯で食いちぎりました

 いや、ものすごい大胆さだったと、我ながら呆れ返ってしまいます

■つづく■

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 「誰にも言わんといてね……」
 
 あの普段でさえ伏目がちの水井さんが、長い睫毛を下げて、わたしの目の前でそう呟いたときのことは今でもはっきりと思い出すことができます。

 あのときの水井さんの物憂げな表情を思い出すと……えーと、何でしたっけ?……ああ、そうそう“肉棒”が硬くなります。
 いまではすけこましで食っている身分のわたしですが、ときに、いざという時、ここ一番という時、肉棒がしっかり硬くならないことがあります。
 
 そりゃあわたしもすけこましとはいえ人の子ですからね。

 そういうときはいつも、この日の水井さんの表情を思い出すようにしています。
 そうすると、みるみるうちに肉棒が活気を取り戻すのです。

 「……あたし、家帰るのんいやなんよ……」水井さんが言いました「……家、嫌いやねん。学校も嫌いやけど」

 「なんで……?」

 なんで彼女が家に帰りたくないのか、そんなことははっきり言って当時のわたしにとっても現在のわたしにとってもどーーーでもいいことなのですが、ここは興味あるフリをしておいてやるしかないでしょう。

 「……家に帰ったら…………イヤなことがあんねん」
 そこで、彼女はぶる、っと身を震わせました。
 「すごい、イヤなことが」

 「イヤなことって…………何?」

 そういう質問をするべきではなかった、と今となっては後悔しています。
 聞いてどうなるわけじゃなし、何ができるわけじゃなし。

 まあ、改めて聞いてみなくても、養父か、義理の兄か、または実の父か兄かなんかに、いやらしいことをされている、くらいの話でしょう?

 聞いてみるまでもありません。
 
 しかし、10歳の子供にとって、世の中のほとんどすべては未知なのです。
 そして、その多くが自分には関係がない、ということもまた、知るはずもありません。
 「…………聞きたい?」水井さんの、声は震えていました。「あんたにだけは……教えてあげる」


 と、水井さんがわたしに覆いかぶさるように抱きついてきました。
 彼女はわたしより身長が3~4センチ高かったと思います。
 わたしは、しばらく大人しくしていました。
 やがて、シャツを通して、彼女の熱い涙が沁み込んでくるのを肩に感じました。

 すばらしい。人生で2回目のすけこまし成功です。

 
 「……誰にも……誰にも言わへんって……約束できる?」


 熱い息とともに、水井さんがわたしの耳元で囁きます。
 耳元でそうやって小さな声で囁かれると、全身がゾクゾクするということはそのときはじめて知りました。

 「おとうさんがね………、おとうさんというか……あのおっさんがね……」

 彼女の小声の告白が始まりました。
 細部は割愛いたします。
 予想したとおり、ある日水井さんがお風呂に入っていると、お母さんの再婚相手である男が酒臭い息で入ってきて、その日以来……という類の話。
 わたしも細部は覚えていませんし、まああまりにもありふれた話なので退屈です。

 それよりもその時、当時は精通もまだでしたが、わたしの肉棒は激しく硬くなっていたのを良く覚えています。
 彼女の告白のせいではありません。
 彼女の髪の匂いや、肌で感じる鼓動、肩に落ちる涙、囁かれる涙声、すべてが当時10歳だったわたしを激しく欲情させていたのです。

 わたしはもう、居ても立ってもいられなくなりました。

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 世間一般では、このような状態のことを“初恋”と呼ぶのでしょう。
 口にするだけでわたし自身の全身にジンマシンがでそうですが、これをお読みの皆様も、わたしのような人間から、そのような思い出話を聞かされるのはたいそう不快なことでしょう。

 なんだか、皆さん方がそれぞれ胸に秘めておられる、「初恋」の思い出が汚されるようで。
 
 まあそのへんは犬に噛まれたとでも思って諦めてください。
 こんな男の思い出話につきあったのが運の尽きです。
 
 はてさて水井さんに対してわたしが抱いたのは、
 “この子はほかの女子とは全く違う”という、いわば直感のようなものでした。
 
 彼女のひときわ貧乏くさい身なり、ややもすれば早くも少々所帯染みた感がある表情の憂い、無口だけどもときおり出る言葉の中に見られる、一種の「つかれ」……
 
 つまり、彼女には『中身』があったのです。
 
 ほかの女子児童たちは、男子児童たちと同じく、中身がカラッポです。
 人間の体はなしているけれど、人間ではない。
 
 思えばこの頃からわたしは、自分でも知らぬうちにこの「すけこまし」という陽の当たらない道を歩むための素地を育んでいたのでしょう。
 つまり、しゃぶりつくものが無いものには、惹かれない。
 中身の詰まっていないカニを見分ける魚屋さんや、果肉がスカスカの西瓜を見定める八百屋さんが持つような、独特の感性が、わたしの中にはすでに芽吹いていたのです。
 
 わたしは次第に彼女に惹かれていきました。
 それを初恋と呼んでいいものなのか、世間がどのように捉えるのかはわたしにはわかりません。
 
 しかし、これがわたしが生まれて初めて……他者に……それがつまり、骨までしゃぶりつくす対象としてとはいえ……興味を惹かれたはじめての季節なのです。
 
 笑いたければ笑ってください。
 多かれ少なかれ、皆様が体験した「初恋」も、わたしのこの体験とさして違いがないものだったことでしょう。
 わたしはただ、正直に語っているだけです。
 
 とにかくわたしは、その少女、水井さんと仲良くなろうとしました。
 これまでとは人が変わったように能弁になり、彼女のご機嫌をとり、歯の浮くようなお世辞を並べ立て、なんとか彼女の関心を買おうと必死になりました。
 
 恐らくそれまで、彼女には他人からあからさまに関心を持たれるような経験は無かったのでしょう。
 彼女は戸惑っているようでした。
 何か、わたしを恐れているようでした。
 
 「その服、かわええね」とか
 「その筆箱、どこで買うたん?」とか
 「兄弟は何人おるん?」とか
 「カレーうどんとカレー丼、どっちが好き?」とか。
 
 いろんな事を陽気ぶって聞いては、彼女の気を惹こうとしたものです。
 確かに少し、気持ちの悪い同級生です。
 
 しかし、当時のわたしは諦めませんでした。
 はっきり申し上げて、すけこましの基本は粘り強さです。
 まさに粘着質こそがすけこましの真骨頂。

 ルックスには相当の自信を持っておりましたわたしでしたが、それだけで水井さんの気が引けると考えるほど、自惚れていたわけではありません。
 
 ここでわたくしの思い出話につきあっていただいている読者の皆様に、耳寄りな情報を。


 女性は決して、男性のルックスだけに惹かれて魅力を感じるのではありません。
 男は顔ではない、というのは不細工に生まれついた男の負け惜しみだと思って、鼻白んでしまっているあなた。それは間違いです。

 はっきり言って、顔がいい男は自惚れ屋が多い。
 当時10歳だったわたくしがそうであったように。

 たまたま男前に生まれついてしまった読者の皆さん、気をつけてください。
 自分の顔という天性の素材を過大評価し、それさえあれば女性のほうが向こうからやってくるという誤った考えからは、出来るだけ早い段階で卒業するべきです。

 わたしの場合は、その誤りを10歳の段階で正すことができました。
 すべてはこの少女、水井さんのおかげです。

 とにかく彼女は、他の女子児童たちと違って、わたしの美貌に一向に関心を示さなかった。むしろ……水井さんは、わたしのことをちやほやするような女子児童たちを、一段上の地点から、冷ややかに見下ろしていたようなところがある。
 
 つまり彼女が抱えている空虚に対して、わたしはあまりにも眩しすぎたのでしょう。

 美貌を有している人間は、その分、謙虚でなければなりません。
 うわべだけでも、やさしく、物分りよく、まめに、気さくに、接することが求められてきます。

 わたしは辛抱強く水井さんの心の警戒を解くための努力を惜しみませんでした。
 熱心に話しかけ、笑わせ、注意を惹き、自分の性格のよさを嫌味なく見せ付けながら……。

 やがて水井さんはわたしと口を効いてくれるようになり、休み時間などは教室で話し込むようにもなり、そして学校の帰り道を一緒に帰るようになりました。

 ある日の帰り道……わたしは通学路にある児童公園にある、人目につかないコンクリート製の滑り台の裏で……水井さんと二人きりになることに成功しました。

 10歳の、わたしの勝利です。


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 さてまあ幼稚園時代、“たばたせんせい”を練習台としてのキスの修練に励んだわたくしではありますが、幼稚園が終わり、そのまま小学校に入学しますとほんとうにフツウの子供になってしまいました。


 “たばたせんせい”のように幼児や子供に対して変態的な欲情を抱く、「大人の女性」というものはそうそう出会えるものではありません。まあ、幼女や少女に劣情を催す変態なんていうのは、当然わたしの子供の頃もたくさん居たでしょうけどね。
 

 なかなかその逆、というのはあり得ない。
 いたとしても、女性のそうした欲望は男性のそうした欲望よりも(どちらもと多分に反社会的なものではありますが)この世の中では抑圧されているようですね。

 
 多分、潜在的にはその手の女はたくさん居るのでしょうけども、なかなか出会うことはできません。
 
 
 かと言ってわたしもボーッと少年時代の始まりを過ごしていたわけではありません。
 
 
 さすがに小学校低学年の頃は周りにいる女子児童なぞ、ほとんど毛の生えてない猿と同じであってそれは男子児童にとっても同じことで、すでに自己の“性別”をおぼろげながらも認識していたわたしにしてみますと退屈きわまりない時期であったことは事実です。
 
 

 この退屈な数年間にわたくしが味わったのは、性的なものから隔絶されていたことからくる飢餓感と、同性に対する引きかえせないくらいの嫌悪感でした。
 


 とにかくわたしは、クラスメイトの男子児童と一緒に居るのがいやでいやで仕方ありませんでした


 まあ、手足を振り回したり、泣きわめいてるかと思えばげらげら笑っていたり、げろを吐き戻したり、うんこやおしっこを垂れたり、意味もなく暴力的、威圧的に絡んできたり、徒党を組んだりと、まったくもって同性のクラスメイトというものはわたしにはうんざりとした気分しか与えてくれません。
 

 まあわたくしは何度も申し上げておりますように幼児期から相当の美貌を有し、幼児から少年期の入り口に差し掛かるにあたってその美しさにもますます磨きがかかっておりましたので、少しおませな女子のクラスメイトなどは早くもわたしに好感を抱き、話しかけてきたり一緒に遊ぼうと誘ったりしてくれもしたのですが、同じクラスの男子児童たちにはそれがとても奇異に映るらしい。
 

 奇異というか、違和感を感じるらしい。
 

 よくある、「女のなかに、男がひとりい~」みたいな感じです。
 

 彼等としては、まだ男子としての性徴を獲得しておらず、同級女児に対しても性的に惹かれるまでは至っていませんので(これはわたしの個人的感覚ですが、その点に関して男子は女子より成熟のスピードが緩い)、わたしに対して妬みを感じているとか、そういうのではまったくない。
 

 ただ単に、自分達と違う、それだけで、彼等にとってはわたしが許せないのであります。
 

 わたしは迫害に遭いました。
 まあいわゆる、いじめです。
 

 とは言っても、精通もずっと先に控えた8歳9歳の子供のするこですからたかが知れています。
 


 上靴を隠されたり、砂場で頭から砂をかけられたり、わざと給食の牛乳をこぼされたり、ランドセルに小石を入れられたりと、まあその程度のこと。
 

 わたしは別段気になりませんでした。

 なにせ、わたしのほうから彼等と打ち解けようという気持ちがまるで無かったのですから。
 まあこの程度で彼等も子供じみた優越性を得ることができるのであれば、それでいいのかな、と。
 

 この時点で、わたしの同性という生き物に対してどうしようもなく幻滅してしまいました。
 

 彼等とのつきあいは、わたしにとって何のメリットももたらさない。
 小学校低学年の頃に培ったこの信念は、40を越した今となっても変わりません。
 

 そんなわけでわたしは小学校では女子たちの群れの中で生きるしかありませんでした。
 しかし、そこもまたわたしにとっては天国ではない。
 退屈極まりないのです。
 

 少々おませさんで、8歳9歳で異性を意識するような少女達とはいえ、しょせん子供は子供であります。


 彼女らは純粋にわたくしの顔の美しさに惹かれ、わたしをちやほやしたのでしょうが、それは恋愛感情やら性愛とは何の関係もなく、漠然とした“恋愛”のイメージの片鱗を模写しているようなものです。
 

 わたしと手を繋ごうとしたり、お菓子をくれたり、露骨にパンツを見せてきたりはしますが、しょせん彼女らは子供。男子たちと同じで、中にはなにも詰まっていません。



 がらんどうです。 

 
 わたしは死ぬほど退屈していました。
 


 毎日学校に行くたびに、ひどい退屈と空虚感に襲われ、早く家に帰りたい…そればかりを望んで日々を過ごしていたものです。
 

 そんなこんなでなんとか4年間をやり過ごし、わたしも4年生になりました。
 

 この時、教室で隣の席になったのが、水井さんという少女でした。
 当時、わたくしはまだ10歳の誕生日を先に控えたところで、彼女はもう10歳でした。
 

 彼女はなんとなく……そのへんのまだ小便臭さぷんぷんたる、ジャリどもとは違う印象の少女でした。どことなく、寂しげで、憂いを秘めていて、大人びているというか。
 

 はっきりいってとびきりの美少女だったというわけではありません。
 

 背が高く、やせていましたが、顔はどちらかというとのっぺりとしていて少々寄り目でした。
 肩くらいの長さの髪を、左右に、ぞんざいに三つ編みにしていたのをよく覚えています。
 

 彼女の家庭はとても貧しい家庭だったらしく、着ているものもなんだか貧乏臭かった。
 

 しかしそのぼんやりとしたとらえどころのない視線が、わたしの中の何かに作用したのです。
 その時のわたしが思ったことはこうでした。
 

 “この女には、中身がある

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 ……しかしまあ実際は……。


 わたしもはっきり、どの女がどんなことをされれば喜ぶのか、それをいちいち覚えているわけではないのですね。
 なにぶん、関係している女が多いものでして。



 こんなことを言ってしまえばなんですが、そんな“ポイント”はそれぞれの女でそう違いがあるわけでもありませんし。


 よくまあ、同業のすけこましにも、
 『おれは200人の女をイカせるそれぞれ200通りのやり方を全部、頭に入れてるぜ
 なんて豪語しているバカもいますが。



 わたしに言わせれば、それでお前、よくすけこましなんかやってるなあ、って感じです。
 そんなに記憶力がいいなら、もっと知的労働にでもつけばいいのに。


 はっきり言って、それぞれの女の癖を覚えこんでいる、と豪語するすけこましは、「俺は女房のすべてを知っている」と考えている平凡な家庭のダンナさんと、さして変わりありません。


 ようするにそれは、それぞれの女の“個”というものに対して、執着しているということですからね。


 逆に言いますと、同じ女だからといって、いつも同じことをされたら喜ぶ、というわけでもないのです。
 その日の体調やら、気分やら、シチュエーションによって、それは変化します。


 そのへんを判ってない男性が、女性にマンネリを感じさせるのです。


 これをお読みの男性読者のみなさん、その点は気をつけて下さいね。
 “おれは、この女のスポットを全部知ってるんだ”なんて、とんだ思い違いです。
 おそらくあなたの伴侶は、


 “ああ、マンネリだわ。こいつ、やっぱり頭が悪いのかしら?”


 と思ってるに違いありませんから。


 さて、もはやわたしは、秋子に対して積極的に舌を絡ます作業を中断していました。


 今や秋子は、放っておいても自ら自分の舌をわたしの口の中にこじ入れ、唇を甘噛みし、わたしの歯から歯垢をすべて拭おうとしているかのように、わたしの歯の表面を舐め、せっせとお互いの口の中の唾液を行ったり来たりさせています。


 つまり、さっきわたしが彼女に対してしたことを、今は彼女がわたしにしているわけです。


 これぞ、すけこましの真骨頂です。
 

 女が、まるで機械仕掛けのように自分から動き始めた瞬間。
 これを感じたとき、わたしは何ともいえない達成感を感じるのですね。


 あ、重要なことを忘れていましたが、その時点でわたしの肉棒はしっかりとズボンの布を持ち上げておりました。


 肉棒、という表現は少しありきたりですかね?
 なんと表現したらよろしいでしょうか?


 ペニス……?……なんかしっくり来ませんね。
 剛直………?……なんか抽象的です。
 性器………?……あっさりしすぎています。
 チ●ポ……?……だめですね、下品です。下品すぎます。


 やはり今後、“肉棒”で表記統一することにしましょう。


 わたしの肉棒はズボンを持上げ、熱をおびておりました。
 その先端には、ほんの少し、許せる範囲の脂肪が乗った、秋子の腹がありました。


 わたしも素人ではありませんので、ひたすら己の快楽ばかりを求めて、秋子の腹にそれをグリグリと擦り付けるような真似はいたしません。
 

 ただ、問題は秋子がその存在を、自分の腹で感じている、ということです。

 
 これはスケをコマすにあたって、大切な要素です。
 

 ようするに、女性というものが何に一番興奮するか、と申しますと、大仰なムードやシチュエーションづくりでも、巧みな性的技巧でも、もちろん10,000回の「愛してるよ」という言葉でもありません。


 女性は、相手が興奮していることを知ることで興奮するのです。


 “このわたしが”“相手を”“興奮させている”


 このことを認識することによって、女性は興奮を高めていくのですね。
 それが女です。


 愛だの約束だの誠実さだの、女が欲しがるものは数限りありません。
 しかし、セックスの時に女が求めているのは、相手の興奮、これのみです。


 これは何も、別に太くて硬くて黒くて長い肉棒を見せ付けろ、というのではありません。
 かく言うわたしも、自分で言うのもなんですが、肉棒は実に標準的です。
 いや、良く知りません。他の男の肉棒なんぞに、興味はありませんので。


 男性読者の皆さん。


 太いだの硬いだの黒いだの硬いだの、そういう相対的な優越性に、女性が興奮すると考えているなら、それは大間違いです。


 「………んんっ………ぷはっ」


 強引に追いすがろうとする秋子の唇を少し突き放すような感じで、わたしは自分の唇を離しました。


 「……………」


 秋子が、一瞬薄目を開けて……熱っぽい目でわたしを見つめます。
 そして、ほんの少し……わたしに悟られないように……視線を下に落としました。


 自分の腹部に押し付けられている、わたしの肉棒の存在を、確認するためでしょう。


 そして……自分が想像していたものと同じものが自分の腹の上で自己主張をしていることを視覚で確認すると……。


 まるで、何かをごまかしでもするように、今度は自分からわたしの唇にむしゃぶりついてきました。



 ほらね。

 <つづく>

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 「あう……ん………んぐ………」


 秋子の前歯の隙間を割って割り込ませた舌で、秋子の舌を絡めとり、しばらく口のなかで転がしました。
 

 するとどうでしょう。


 「ん………ふ………ふんっ………うっ」


 秋子が鼻にかかった声を、おずおずと出し始めます。
 

 ここがポイントであります。
 つまりこれは、秋子が唇を離そうとする努力を諦め、鼻で呼吸することで、わたしに口の中を舐り回されているという状態に適応しようとしているということ。


 この瞬間もまた、すけこましの醍醐味であります。


 はてさて、いやらしいシーンがはじまりそうなところではございますが、ここでまた少しわき道に逸れようかと思います。


 ええ、なかなかいやらしいシーンのテンションが上がりませんね。


 まあ、いきなりここから秋子の服を、引きちぎるようにひん剥いて愛撫もそこそこに挿入、すると女は狂ったように悶え狂う、ってなありきたりなエロをお求めの方は、よそにたくさんその手のエロ小説があるのでそちらへどうぞ。



 と、いいますのも、わたしは常々思っているのですが、どうも日本男児というものは口による口に対する愛撫に関して、ものすごくおざなりであるように思うのですね。


 キスなんざ後からいくらでも出来らあ、ってな感じでとにかく先を急ぐ。


 とにかく、ひんむいておっぱいを曝け出させては、いきなり乳首へ吸い付く。
 かろうじて唇を攻撃するとあっても、舌でべろべろと舐め回すばかり。


 それが日本男児の、はなはだ幼児性あふれる前戯のあり方であります。
 


 いやもう、嘆かわしい限り。
 


 なんでも規範を西洋に求めるのは考え物ですが、日本人男性と比較して、西欧の男性はセックスの前のキスにかなり重点を置いていると聞きます。

 
 フェミニストの先生方などにそのへんを語らせると、いろいろと興味深い話が聞けそうなところではございますが、これは本当です。



 知り合いの、カナダ人すけこましが言ってましたからね。
 なんでも西欧社会では、レイプ犯すら被害女性にキスを求めるとか。
 進んでいます。



 それに引き換え、日本人男性はどうでしょう?
 いつまでもお母ちゃんのおっぱいを吸う快楽から逃れられない。
 心が自立していない証です。


 ですから、これをお読みの女性読者のみなさん。


 あなたの彼氏が、セックス時にキスもそこそこに、いきなりあなたのブラジャーをはがして乳首に吸い付いてくるようなタイプでしたら、その男はあなたの乳首を吸いながら、頭の片隅では自分のお母ちゃんのことを思っているのです。


 まあ、そういう男は総じてセックスが下手です。
 それは、お読みの女性読者の皆さんが一番わかってらっしゃると思いますが。
 

 将来、安定した、うわべは幸せな家庭を築き上げたい、とあなたが考えておられるなら、その手の男と結婚するのがよろしいでしょう。
 
 
なにせ、セックス中も頭の隅にお母ちゃんのことを思い浮かべるような男です。
 悪党であるはずがありません。
 

 まあ、嫁姑のことで揉める可能性は高いですがね。

 さて、ようやく話をもとにもどしましょうか。


 わたしは、秋子の舌を弄び、互いの唾液を共有し、全ての歯垢を舐め取るかのように歯の表面を舌でなぞり、ときに上唇と下唇の甘噛みをし……ということを、インプロビゼイションにまかせて繰り返しました。


 その間、秋子の体を抱きしめてはおりましたが、あえて手を動かしたり、どこぞを触ったりくすぐったりはしません。


 それは後です。一度に二つのことをしない。
 慌てるこ●きは貰いが少ない。まさしく真理です。

 「ん………んふっ……………んっ………………ふ、ふう………」


 その時点で秋子は、うっとりと目を閉じ、少女のように頬を紅潮させ、鼻で吐息をつき、わたしが意地悪に唇を離そうとすると、それを自らの舌と唇で追っかけようとする始末です。



 その、ほどよく肉付きのよい身体をわたしの腕の中で、はでにくねらせながら。
 
 まったく女とは哀れなもんですな。


 秋子の興奮がかくも煽り立てられたのは、わたくしの粘っこい口での愛撫によって、秋子が3年前のわたしの愛撫をまざまざと思い出したからでありましょう。


 彼女が、口の中のどの部分を舌でくすぐれば気持ちいいか、どのような舌の動かし方に弱いか。それを知り尽くしたかのような、わたしの舌の動きに起因する、


 “ああ、やっぱりこのヒトはあたしのことを良くわかってるんだ


 という安心感が、ますます女の官能のほのおを強火にするのでしょう。

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 「……や、やめて……こ、こっち来ないで……こっち来たら……し、承知しないから……」
 

 なんとまあ、胸を打つ言葉でしょうか。

 “承知しないから

 これほどわたしを燃え上がらせる言葉もありません。やはり秋子はよく判っています。
 

 「……へえ、承知しねえ、って?」
 わたしは、その言葉をまるではじめて聞いたかのように、大げさに驚いてみせます。
 実は過去に、何回も何回も、わたしたちはこのようなやり取りを繰り返しているのです。
 「……承知しねえ、ってのは、どう承知しねーんだい?なあ、教えてくれよ」
 「……し、承知しない、って言ったら……しょ、承知しないんだから……」
 「……おっそろしーーねえ……いや、マジで。おしっこチビりそうだよ。で、何するわけ?……これ以上近寄ったら……お前、おれに何してくれるわけ?」


 秋子が床に腰をつけたまま、狭い部屋をじりじりと後じさっていきます。
 わたしはネクタイを解きながら、にやにや笑いを浮かべたまま、ゆっくりと秋子に歩み寄ります。
 

 わたしが右足を一歩踏み出せば、秋子がじり、と右の尻肉を使って後ろに後じさる。
 さらにわたしが左足を一歩踏み出せば、秋子がじり、と左の尻肉を使って後ろに下がる。



 こうしたやりとりも、わたしたちの前戯のうちです。
 秋子の怯えた(ふうを装っている)表情も、わたしの悪らつな態度や表情も、ゲスな物言いも、その後に待っている熱い一発のプレイをさらに盛り上げるためのプロローグなのです。


 わたしがネクタイをすっかりほどき、襟の両側に垂らした状態で見下ろすと……
 ようやく何か思いついたらしい秋子が口を開きました。


 「……ひ、人を呼ぶ……わよ……お、大声出すからね……」


 声が掠れています。秋子も相当興奮しているのでしょう。
 

 「……人って、誰呼ぶの?隣の80過ぎた、一人暮らしのじーさんか?」

 わたしは自分のワイシャツの前ボタンを外しながら言いました。

 「いいじゃねえか……呼んでやろうぜ。じーさんの冥土の土産に、俺らの熱いコーマンを拝ませてやろーじゃねーの?……え?」

 
 おっと、いけません。


 どうしても、「コーマン」とか「お●んこ」とか(関西圏出身の女が相手のときは「お●こ」ですが)、そういう下品なキーワードを言葉にするときは、心なし声が小さくなってしまうところがわたしの育ちの良さの由縁です。

 
 同業の(すけこましの)方、このヘん、案外苦労されてるんじゃないですかね?


 なかなか今の生活でやってることと、育ちの程度が一致している人、というのはいないものです。
 気を取り直して、わたしは言葉を続けます。
 

 「……それとも何か?……じーさんも参加させてやっかあ?……どーだい、じーさんと俺らで3Pってのは?オメエのそのでっけー胸で、じーさんの萎びたチン●をこすり上げてやったらどーだ?そのままじーさん、あの世に昇っちまうかもなあ!」
  「……よ、よ、よくそんなこと思い付くわね!……こ、こ、このひとでなし!」

 
  “ひとでなし”と呼ばれるのもまた、わたしにとっては鳥肌が立つような体験です。


 「そうだよ。3年前と同じ、ひとでなしだよ俺は」わたしはせせら笑いながら言いました。「その人でなしが好きなんだろーが?ええ?もうヤリたくてヤリたくてヤリたくてどーしよーもなくなってんだろ?パンツの中、緊急事態なんだろ?ほら、正直に言ってみろよ?」
 「だ、誰が………ひっ!……いやっ!」

 
 わたしが両の手をそれぞれ秋子の脇の下に突っ込んで、上へ引っ張り上げたのです。
 無理矢理目の前に立たせると、背を向けて逃げようとするので、そのまままた前に向かせて両手でがっちりと抱きすくめました。
 

 「あっ……んっ……いやあ!……やめて、やめてよ!やめてったら!」
 
 ぎゅう、と力を入れて抱きしめます。

 小さいけれども十分に弾力があり、やわらかいところはやわらかく、堅いところは堅い、そんな秋子の肉体がわたしの腕の中にあります。
 

 秋子の肉体は、少し微熱を帯びているようでした。
 そしてそのTシャツの感触は、汗を帯びて少し湿っていました。
 

 「……へへへ、相変わらずいい抱き心地だぜ。思い出すよなあ!3年前をよお!……な、思い出すだろ。この部屋で、夕方から真夜中まで弄りたおしてやったよなあ……」
 
 
 秋子の内なる官能を煽り立てるように、わたしは耳元で囁き続けます。
 

 「……ひっ……」
  

 氷を押し付けられたみたいに、秋子が肩をすくめました。
 秋子は耳が弱いのです。後にも書きますが、ほかにも弱い部分はたくさんあります。
 全身これ、弱点だらけの女でした。
 

 「……あの時、おめー何遍イッったっけ?……最後には白目向いて、涎たらしてよがってやがったよなあ……?………最後におめえ、俺に何てオネダリしたか覚えてるかあ?……え?」
 
 「………やめて……言わないで……」秋子はしっかりと目を閉じています。
 
 「忘れちまったかあ?……じゃあすぐ思い出させてやるよ。ほれ、言われなくてもカラダが勝手に思い出すだろお?………時間はたっぷりあるんだ……って、べつにおめー、予定なんかねえよなあ?」
 
 「い、いや……だ、めっ!!!…………んんんっ!」
 
 まあはなからわたしには秋子の予定を聞くつもりなど、露ほどもありませんでしたが。
 ここで予定を聞いておくべきだったのかも知れません。
 まあ今さら後悔しても遅いのですがね。
 

 わたしは秋子の唇に吸い付き、それを吸い上げることで……彼女の言葉を封じました。
 わたしは女をコマすときは、可能な限り、キスから入ることにしています。
 それはわたしが幼い頃に“たばたせんせい”から学んだことでした。
 

 秋子もまた、キスをされるとてんで弱いのです。


 当たり前ですかね。


 “たばたせんせい”も秋子も、同じ『』という生き物なのですから。


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 “たばたせんせい”はわたしの髪を自分の指で梳かすように撫でながら、恐る恐る、という感じで唇を重ねてきました。

 彼女も当時はお若かったことですし、短大を出てすぐ保育士として保育園に就職されるようなお方です。
 さぞ真面目なお嬢さんだったのでしょう。
 
 ですのでその時点の“たばたせんせい”にそれほど男性経験があったとは思えません。
 まあこれは今の時点のわたしが抱く勝手な想像ですが、彼女はあの時点で処女だったのではないでしょうか。


 と、いいますかキスもはじめてだったのではないでしょうか。
 

 「……んん……」


 “たばたせんせい”が鼻息交じりの声とともにわたしの唇に唇をくっつけています。
 わたしは唇を奪われながらも、目を開けて彼女の顏をじっと見ていました。
 “たばたせんせい”はしっかりと目を閉じ、眉間に皴を寄せながら、わたしの唇を唇でぐいぐい、と押してきます。


 妙な気分でした。


 はっきり申し上げまして、わたしが女性からキスをされたのはこれが初めてではありません。
 と、いいますのも、物心ついてからこっち、わたしは母から、祖母から、姉から、親戚のおばさんやお姉さんから、近所のおねえさんやおばさんから、機会さえあればちチュッチュとキスをされるのが常でした。


 ほっぺたやおでこだけではありません。


 みなさん、平気でわたしの唇に吸い付いてくるのです。


 多分、わたしが余りにも可愛らしかったからだと思います。

 皆さん、とくに女性の方々は可愛らしいわたしにキスをせずにおれなかったのでしょう。
 ですので当時のわたしは、そういう行為は世の女性にとって、ほんの挨拶程度のものに過ぎないのだ、という日本人離れした感覚を自然と身に付けていました。


 
 「……んん……」“たばたせんせい”がわたしから唇を話します。
 「………」わたしは何も言いませんでした。

 
 その時の“たばたせんせい”の目つきの、なんと熱っぽかったこと。
 今思い出しても、思わず官能のほむらを腰に灯さずにおれません。

 半眼で、少し売るんだ目。上気した頬。

 まったく園児にあんな悪戯をしておいて、あんな目で見るなんて本当にけしからん娘さんです。
 

 「……誰にも言っちゃだめだよ……」“たばたせんせい”が熱っぽい調子で続けます。「……気持ち良かった?」
 「………うん」わたしはこくん、と頷きました。

 
 いえ別に、気持ち良くともなんともなかったわけはありますが、わたしは当時から、女性と調子を併せるのがたいへん上手かったのです。

 
 「もっとしてもいい?……」と“たばたせんせい”「……もっとしても、イヤじゃない?」
 「………うん」またわたしは、こくん、と頷きました。


 母が迎えに来るまでまだ時間が掛かりそうだったし、まあ退屈しのぎにはいいかな、というくらいの、軽い気持ちでした。
 

 と、今度はさきほどのキスとは少し違っていました。



 “たばたせんせい”は先程と同じようにわたしの唇にそっと自分の唇を合わせると、そこから分け入るようにして、舌を進入させてきました。
 

 「??」わたしは大変驚きました。
 
 キスをされたのは初めてではありませんが、舌を入れられたのはこれが初めてです。

 少なくとも他人には(姉からは何回か、そのような悪戯をされたことがありました)。

 
 「んん………」“たばたせんせい”はうっとりとした表情で、わたしの口内を舌先で愛撫します。
 

 わたしは大変くすぐったいような、こそばゆいような、もどかしいような奇妙な感覚を覚えました。
 これは、“挨拶程度のもの”とは違うな、というのが実感でした。

 先生が、本気であることはわかりました。

 わたしは目をしっかり開けて、先生の恍惚とした表情を眺めました。
 

 美しい造りの顏に痴呆のような恍惚を浮かべて、目を閉じ、眉間に皴を寄せて、わたしの唇を貪る“たばたせんせい”。


 ああ、これが女なんだなあ、とわたしが感じた瞬間でした。


 なるほど、せんせいとか、大人とか言っても、結局はこの程度なんだな、と。
 

 バッカじゃねえの?とわたしは思いました。


 何アホみたいに亢奮して子供の口の中に舌入れてんの?
 鼻息フーフー言わせちゃって。
 

 まったくといっていいほど、恐怖は感じませんでした。
 ただ、5歳だったわたしの中の“たばたせんせい”の価値が、アリンコのように軽くなったことは事実です。
 

 じゃあ、こういうのはどうよ?
 

 わたしは口の中で好き勝手に暴れ回っていた“たばたせんせい”の舌に、自分の舌を絡めてみました。

 
 「んっ……」びくっ、と“たばたせんせい”の肩が震えました。

 
 面白い。


 わたしはそんな“たばたせんせい”の反応が面白くて、口の中から慌てて出ていこうとする彼女の舌を追っかけるように舌をどんどん絡めていきました。


 「んんんんっ………!」
 明らかに“たばたせんせい”は狼狽しています。
 

 口の先をすぼめて、舌の先を吸い込むようにしました。
 舌の先を前歯で、あまく噛みました。
 

 驚いた“たばたせんせい”が、目を見開き……わたしを突き飛ばすようにして体を離しました。
 

 はあ、はあ、と荒い息をしながら……まるで化け物でも見るような脅えた目で、彼女がわたしを見ています。
 

 「……わ、わ、わ…………わるい子………」“たばたせんせい”が震えながらいいました。

 「また、しようね」わたしは笑いながら言いました「また、したいでしょ」
 


 ……それから……わたしは保育園で“たばたせんせい”と二人っきりになれそうな時間を見つけると、

 「ねえ?せんせい?…………チューしようよ?………」


 と甘えながら彼女のスカートを引っ張り、彼女を困らせるのでした。
 

 その度にわたしに応えて、人気のないところにわたしと二人でしけこむ“たばたせんせい”も大概でしたが。
 

 その度に、一回ごとに……わたしは“たばたせんせい”を舌でめろめろにするための技巧を磨いていきました。

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 さてまあ当時のわたしはたったの五歳でした。
 当時、その保育士さんが昨年短大を出たばかりの世間知らずなお嬢さんであることなど、ちっとも判ってはいませんでした。
 
 今なら彼女のような女性は、わたしにとって格好の餌食です。
 まあ言うまでもありませんが、セックスに対して、そしてわたしのようなそこにつけ込んで女を食い物にするような人間の存在について、無知で無防備な女性というのはほんとうに軽く骨抜きにしやすい。
 
 ただまあ、はっきり言いまして難易度が低いからといってその手の女性がわたしの好みであるか、といえば決してそういう訳ではありません。
 むしろ、難易度が低すぎてあまりにも面白くない。
 人生経験の少ない人間というのは……これは女にも、男にも言えることですが……中身が空っぽです
 中味が空っぽな人間というのは、わたしの興味の範疇外です。
 何故なら、しゃぶり尽くそうにもしゃぶるものがありませんからね
 
 まあまた関係のない話が長くなりそうなので、話を先に進めますが、とにかくそのお嬢さん……いや保育士さん……当時のわたしにとっては“たばたせんせい”は大変魅力的な人でした。
 
 当時の無邪気な感覚で判断しましても、ぱっちりとした目と小柄でしなやかな肉体、そして何より上品な物腰がほかの保育士のみなさんよりずっと魅力的だったのを覚えています。
 
 当時のわたしくらいの年齢の子供にとって、大人の女性はどれも単に「自分より歳を食っている人」であり、保育士の方だろうと園内掃除を担当するおばちゃんであろうと、たいした違いはありません。
 それでもわたしは若く、美しい女性に魅かれることが多かった。
 
 とにかく、年老いた女性のそばにいるよりも若い女性のそばにほうが、そして、不細工な女性のそばにいるよりは奇麗な女性のそばにいるほうが居心地が良いのです。
 
 このへんは、わたくし特有の動物的勘といいましょうか。
 生まれ持った天分とでも申しましょうか。
 
 その“たばたせんせい”ですが、よく職場で、先輩の保育士さんに叱られていたのを覚えています。
 
 実際、彼女が世間知らずで要領が悪く、ドン臭かったことは事実でしょう。
 ですが、それにしても先輩保育士さんたちはわたしたち子供の前であることを憚らず、彼女を怒鳴りつけたり立たせてネチネチと小言を言ったりして激しく攻め立てていました。
 
 幼いわたしにはその様子は、いやがらせか苛めにしか見えませんでした。
 実際そういうところもあったのでしょう。
 何故なら、“たばたせんせい”があまりにも美しかったからです。
 前述しましたように、彼女は他の保育士の先生よりずっと美しかった。
 それに、他の先生方よりも一回り若かったのではないでしょうか。
 
 当時のわたしにそこまで伺い知ることは無理というものですが、“たばたせんせい”とその他の古株の保育士の先生方のいずれかの間に、なんらかのトラブルがあったのではないでしょうか。
 あからさまに男女間のトラブル、というわけではないでしょうが。
 たとえば園長先生が(男性でした)やたら“たばたせんせい”を依怙贔屓する、とか。
 
 “たばたせんせい”はそんなふうにネチっこく先輩保育士の先生方に苛められた後も、涙を見せるようなことはなく、怒りや悲しみや理不尽を、ぐっと堪えるかのような表情をよく浮かべていました。
 
 そういう表情に、当時5歳だったわたしはズキンときたものです。
 昔から、といいますか物心ついた頃から、わたしは女性のこういう表情に弱かった。
 
 多分、“たばたせんせい”はその未熟ながらも実直な職業意識から、子供たちの目の前で涙を見せるなどということはしてはいけない、と真摯に心に決めていたのではないでしょうか。
 
 あほらしい話です。
 誰だって、一度は泣くのです。
 しかし、そういう健気な姿勢は(もちろん、当時からそれを健気だと思っていたわけではありませんが)わたしの胸を打ちました。
 こういう、人間個人個人が抱えている“つまらない自負心”がわたしを亢奮させるのです。


 その日も……“たばたせんせい”は先輩保育士の先生にひどくいじめられていました。
 日常的な風景ではありましたが、その日は何と3人がかり。
 はっきり言って、子供であるわたくしたちもなんだか自分の先生がしかられているのを見て、自分がしかられているような気がしてくるから困ったものです。
 
 頭の弱い友達のユウスケ君なんかは、すっかり脅えて泣きだしてしまいました。
 
 その日の夕方、毎日わたしを迎えにきてくれていた母か祖母が、二人とも何らかの事情で遅くなっていました。
 つぎつぎと園児達が帰っていく中で、わたしは取り残され、いつの間にか気がつけば園内はわたしと“たばたせんせい”だけになっていました。
  
 他の先生たちも姿が見えません。
 “たばたせんせい”は大変疲れた様子で、わたしの顏をのぞき込みますと、非常に寂しげに笑いました。
 
 「ちょっとお散歩しようっか」彼女はいいました。
 
 わたしは素直にうん、と頷きますと、“たばたせんせい”の手に引かれて保育室を出ました。
 散歩と、いいましても保育園の敷地内をうろうろするだけです。
 保育園の裏手はちょっとした林になっており、そこを“たばたせんせい”と歩いたその日、わたしはなんとなく夏の匂いというものを嗅いだような気がします。
 
 草の匂いと、遠い雨の匂いと、女性の汗の匂いです。
 
 と、“たばたせんせい”が木立の中できょろきょろと周囲を見回しました。
 そしてそのまま、わたしの目線の高さまでしゃがみ込み、じっとわたしの目をのぞき込みます。
 
 「……………」彼女は何も言わず、わたしの目を見ていました。
 
 その時わたしは生まれてはじめて……女性の情欲というものに触れました。
 明らかにその目線は、いつもの優しい“たばたせんせい”のものではありませんでした。
 せんせいの目は少し潤み、黒目の色は差し込む西日に滲み、震えているようでした。
 
 「……誰にも言っちゃダメだよ」
 
 “たばたせんせい”は鼻息交じりにそう囁くと……わたしにそっと唇を近づけました。


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