SOD CAFE
“LOVE”や“FREEDOM”で世界は変わらないので、SOD CAFEへ(嘲)
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 「カオル?カオルじゃん?」


 できれば今後一生、聞きたくない声だった。
 とくに今日みたいに、クラスメイトの女子と一緒に、いい感じで下校しているような時には。


 今日僕は、はじめて彼女、・・・・・・となりの席の花岡さん声を掛けたのだ。

 一緒に帰ろう、というと花岡さんはにっこり笑って承諾してくれた。


 「カオル、ひっさしぶりじゃ~ん?元気してた?・・・あ、誰それ?彼女?」


 近づいてくる女は、ボサボサの髪にジャージ姿。年齢はまだ20代半ば、のはずだが実際の年齢よりもずっと老けて見える。


 「・・・どなた?お姉さん?」花岡さんが、不安げに聞いた。


 女の様子はいかにも不安を誘う風情である。
 

 「いやーーーーなんかすっかりオトコマエになっちゃってえ!!いつの間にお姉さんの知らない間に彼女なんて連れて歩くようなご身分になったのかねえ!!!・・・・あ、カオル、赤くなってる。ゲヘヘヘヘ!!!」

 「・・・・お姉さん?」花岡さんが念を押すように聞いた。

 
 何かインネンでもつけられているんじゃないかと怯えているようだ。
 だけど・・・僕は花岡さん以上に怯えていた。
 何故ならこの女がどんな女が知っているからだ。


 「・・・・・う、うん」僕はほとんど聞き取れないような声で言った「・・・し、親戚の、お姉さん・・・・」
 「エヘヘ!!親戚!!」女が前歯をぞろりと見せて笑う。「そうだよ!!親戚よりももっと近いかもよ!!・・・・で、その子誰?・・・・かっわいいじゃん!!!」
 「こ、この子は・・・」

 気がつけば、僕は花岡さんを女からかばうような姿勢で立っていた。

 意識してそんな行動に出たわけじゃない。自然と、反射的に出た行動だった。
 人間、普段から心がけていなくても、いざとなれば男らしい行動に出られるものだ。


 「・・・・あ、と、友達・・・・です」僕の後ろで、花岡さんがつぶやいた。
 「そ、そう、友達・・・・友達だよ」僕はできるだけ女の目を見ないようにして言った。
 「友達!!!そうなの???え、じゃあアレ?キスとかしてないの???おっぱい触ったりとかもしてないの????・・・・・・もしかしてアレ?まだ手も握ったこともないとか、そーいうアレ????ゲヘヘヘ!!!・・・・最近はそーいうのが流行りらしいからねえ!!!!アレでしょカオル、楽しみは後に取っとこう、ってやつでしょ??」


 女の声は掠れていた。たぶん、ウイスキーで焼けているのだろう。
 女の息はまだ日も高いのに、十分にウイスキー臭かった。


 「も、もういいだろ。花岡さんは何の関係もないんだから・・・放っといてくれよ!」少し、語調を強めた。
 「ひゃっほー!!!何なのそのオットコマエな台詞!!あんた、しばらく見ないうちにいい男になったねえ!!いまいくつだっけ?・・・あたしと最後に会ったのがちょうど1年前だから・・・」
 「13だよ。もう中学生だよ・・・あんたには、感謝してるけど・・・こんな・・・」
 「そーだよねえ!!!」女が、僕の制服のネクタイを掴んだ。「あんた、あたしのおかげでこのお坊ちゃん私学に入れたんだもんねえ!!・・・あたしが家庭教師してあげたから、あんた、私学に入れたんでしょ!!!」
 「・・・・」
 「・・・ねえ、あたし・・・もう行っていい?」花岡さんがかなり、深刻に、怯えた声で言った「・・・・あたし、もう行くね・・・」
 「・・・・そうだよお嬢ちゃん!!!!」女が唾を飛ばしながら叫ぶ「こんな奴とつきあってると、ロクなことないんだから!!!だってこいつは・・・・」

 「やめろ」僕はさらに語気を強めた。でも女の目を見ることができなかった。

 「・・・こいつはね、超エロいんだから!!!12歳だったときから、まだ小学生だったときから、ってか、チン毛が生える前から、あたしを手篭めにしたんだからね!!!!」
 「何言ってんだよ!!!そんな・・・・」
 「て、手篭めって・・・」

 花岡さんはもう3歩ほど、後ろに後退していた。
 
 「こいつ、こんなかわいい顔して、女の子みたいな顔して、とんだ淫獣なんだよ!!・・・まだ皮かむってる、毛も生えてないチンコしてるくせしてさ、勉強中にあたしを床に押し倒して・・・・それから・・・・」

 「嘘だ!!!」僕は叫んでいた。いつの間にか、女の伸び伸びのトレーナーを掴んでいた。
 

 女の濁った目が目の前にあった。
 酒の臭いが、むせかえるようだった。

 
 「嘘だ!!!あれは、あんたが無理やり・・・・」
 「人聞き悪いこと言うんじゃねーーーよ!!!・・・それじゃあたしが小学生のガキ、コマしたみたいじゃんかよ!!!」
 「そうじゃないか!!!・・・あの日、あの日は・・・・家に誰もいなくて・・・あんた、最初から俺にあんなことするつもりで、家庭教師引き受けたんだろ?最初っから、俺のことが目当てだったんだろ????」

 「・・・・なにこの話・・・・」花岡さんはもう、5メートルほど僕たちから遠ざかっていた。

 「でもさー、あたしのことをベッドに押し倒したのは、あんたじゃん。そうでしょ?」
 「違う!!!!」僕は女を揺さぶった「あ・ん・た・が、僕をベッドに押し倒したんだ!!!
 「そうだっけえ???」女がニヤニヤ笑いながら、濁った目で僕の目を覗き込む「・・・それからどうしたっけ?ほら、彼女に聞かせてやんなよ」
 「花岡さん・・・・これは・・・・あっ」


 振り向くと、もうそこには花岡さんの姿はなかった。


 「あれあれ、あの子、なんか顔が真っ青だたよ・・・・ちょっと中一の女の子には刺激が強すぎたかねえ?」
 「取り消せ・・・あれは・・・」もう僕は、花岡さんのことなどどうでもよかった。「あれは、あんたが、無理やり、僕にしたことだ」

 もう花岡さんはいないのだ。
 改めて女にそう言わせても、何の意味もない。
 それくらいは、僕にもわかっていた。
 でも、僕は、女にそれを取り消させないと気が済まなくなっていた。
 
 これは、人間の尊厳にかかわる問題だ。決して、大げさに言ってるんじゃない。

 「でも・・・気持ちよかったでしょ?」女が笑う。酒の臭いが漂う。「いやだいやだ、って言うわりに・・・脱がされるとあんた、もう勃ってたじゃん。ビンビンになってたよね。あんた・・・あたしのこと好きだったんでしょ?・・・そうだよねえ。あたしまだ1年前は、こんなんじゃなかったからねえ。ふつうの、ちゃんとしたお嬢さんだったもんねえ。だってあの頃は、モテたもの。今じゃ誰も見向きもしないけど、あの頃はモテたんだよ。・・・そんなきれいなお姉さんに、無理やりあんなことされて、ほんとはうれしかったんでしょ?・・・あんた。口ではいやだとかやめてとか言いながらさ、ほんとはあんた、あんなふうにされたかったんでしょ?だって・・・パンツ脱がせたらもう・・・カッチカッチのヌルヌルだったじゃん?」

 女の口調は自分に言い聞かせるようだった。

 「・・・・あのときの・・・・あのときの写真は・・・・」僕は女の顔を見上げながら言った。
 「まーーーーだしっかりあたしの携帯に入ってるよ!!!何だったら見る?ホレ!!!!」

 女がジャージのポケットから携帯を取り出した。
 見覚えのある、一生忘れることのできない、パールホワイトのカメラ機能つき携帯電話だ。
 女はすばやく携帯を操作して、画面を僕に向けた。

 「ほれ!!!これだよ!!!これが1年前のあんただよ!!!ちゃんと見ろよ!!!!このコーコツの表情を!!!」



 目を背けようとはしたが、間に合わなかった。



 小さな液晶画面の中に、自分の部屋のベッドの上で、ぐったりと仰向けに倒れている僕の姿があった。


 あのベッドは今も使っている。何せ、1年前の話だから。


 Tシャツを胸の上までまくりあげられ、ズボンとパンツはひざまで降ろされている。


 胸板から膝までの体を隠すものは何もなかった。


 あばらの浮いた上半身の下に、筋肉のついていない平らな腹があり、その下で・・・・まだ包皮を被ったままの(現在でも被っているが)陰茎が、しっかり硬くなって上を向いていた。


 腹には、放射状に、乳白色の濃厚な液体が飛び散っている。
 いちばん遠くまで飛んだ液体は、乳首の先まで濡らせていた。



 そんなことはどうでもいい。


 
 それよりももっとおぞましいのは、自分の表情だった。



 上気した頬に、潤んだ目。半開きになった口は、カメラに向かって明らかに媚びていた。
 お預けをくらっている犬みたいに情けない表情は、さらなる辱めと快楽を求めていた。


 「・・・・ほら、これがあんただよ。1年間で、あたしはこんなに変わっちゃったけど、あんたはまだ変わってないよね?・・・まだエロいんでしょ?・・・チンコには毛が生えた?・・・ますますあの頃より、エロくなってんでしょ?・・・ほら、この写真見なよ。勃ってくんじゃない・・・?・・・あたしとまた、こんなことしたいんじゃない?・・・・それとも、さっきの子とこんなことしたいのかなあ・・・?・・・・無理無理。あんなガキじゃあ、あんたとても満足できないって。あたしがそんなふうに、あんたを仕込んだんだから」


 「・・・やめろ」僕は女から手を離して、腕をだらりと下に下げていた。


もう女の顔を見上げる気力もなかった。


 「・・・フツーの青春を送りたいってかあ???あんたには無理だって。あんたは、生まれついてのエロ少年なの。あたしはあんたの才能を引き出しただけ。デートして暗がりでキスして、おっぱい触っただけでその日はバイバイ・・・?・・・・そんなことあんた、いまさらできると思ってんの?・・・あんた、1年前にあたしとどんなことしたか、自分でも覚えてんでしょ?・・・ねえ、今だって・・・・あんた、オナニーするときは、あたしにされたこと思い出して、シコシコしてるんでしょ?・・・しちゃいけない、と思いながらも、シコシコしてるうちに、あたしの顔や、あたしの声や、あたしの手の感触が蘇ってくるんでしょ?・・・で、イくときはいつも、ホラ・・・・この携帯の中の、12歳のときのあんたに戻るんだよ。あんたがいくつになってもね

 

 「・・・・・何がしたいんだよ」僕は言った「僕にいまさら、何をしたいんだよ」


 「あたし、この近くのアパートに住んでんだ」・・・女が言った「あんたが入学してからずっと、あんたのことを見張ってたんだよ。今日はじめてあんた、女の子と一緒に歩いて帰ってたよね。こりゃヤバい、シメとかないと、ってんで、あんたに声掛けたわけ。・・・・・・・・わかったあ?あんたは、あたしのもんなの。あんたは、あたしから逃げられないの。」



 「・・・・・」何もも言うことはなかった。
 「今から、あたしの部屋来る?」
 「・・・・・」答えたくなかった。でも、答はあらかじめ決められていた。
 

 気がつけば僕は、女に手を引かれて、歩き始めていた。


 ふと振り返ると、花岡さんが消えた方向に、僕と女の影が長く伸びていた。
 花岡さんは今頃どう思っているだろうか。
 明日、学校で顔を合わせたらどんな風に声を掛けたらいいんだろうか。


 僕はぼんやりとそんなことを考えていた。
 でもそんな心とはうらはらに、ズボンの中はこれから待ち受ける運命への期待で勃起していた。
 


 女のいうとおりだった。




::::::::::::::::::::::::::

 花岡は帰りの電車の中で、カオルと女のことを考えていた。


 「・・・・いろいろあるもんだなあ」


 そう思ってため息をついたが、まだ世の中にはいろいろ知らないことがある、ということを改めて知ったような気がして、少し明るい気分になった。


【完】














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