SOD CAFE
“LOVE”や“FREEDOM”で世界は変わらないので、SOD CAFEへ(嘲)
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 「さあ、それじゃあ・・・一枚一枚・・・脱いでもらおうか」
 「・・・は、はい」

 荻原さんは、あたしと一切目をあわさずに、ベッドに腰掛、タバコをふかし、いかにもそれらしく振舞おうとしている。


 それらしく、というのは、金にものを言わせて女を自由にするゲス野郎のことだ。


 でも、ほんとうの彼はそんなことはとてもできない小心者だ。
 小心者だけど、品性は下劣なので、やはりあたしの願っていたとおりのことを言ってくれる。


 「・・・あの・・・う、上から脱げばいいでしょうか。・・・そ、それとも下から?」
 「・・・・そうだな・・・・・・・・・・・・・・・」しばらく考え込む「・・・・スカートの下、パンツだけ?」
 「・・・・ええっと・・・・そ、そうですけど」
 「じゃあ・・・下から」

 そういうところにはこだわりがあるらしい。
 あたしはゆっくりとスカートのホックに手をかけた。
 ホテルの部屋にはいたるところに鏡が張ってあって、いろんな角度からあたしの姿を見ることができる。
 

 スカートを脱いだ。


 ふぁさり、という感じであたしの足元にスカートが落ちる。
 シルクの、黒いパンツが露になった。
 ちょっとメッシュが入ってたりして、いやらしいデザインのやつだ。



 荻原さんが、ゴクリ、と、まるでマンガみたいに唾を飲み込んだ。
 ずきん、ときた。最初にきたのは、胸の痛みだった。
 

 あたしは次に、ブラウスに手をかけた。


 「あ、ちょっと待って・・・」荻原さんが、手を差し伸べて言う。


 あたしはブラウスのボタンから手を離して、そのまま身体の前で重ねた。
 いらっしゃいませ”とでも言い出しそうなポーズだったけど、きっと荻原さんにしてみれば、あたしがパンツが丸見えになっていることを恥じらっているみたいに見えるだろう。


 荻原さんは脂でガ表面がひどく汚れたメガネを一旦外し、枕元に備え付けられていたティッシュを一枚取ると、丹念にレンズを拭き始めた。
 

 しっかりと目で楽しむつもりなのだ

 

 また、ずきん、ときた。次にずきん、ときたのは、おへその上だった。


 「・・・いいよ、続けて・・・」メガネをかけなおした荻原さんが言う。
 
 あたしはコクリ、とうなずくと、ひとつひとつ、丹念にブラウスのボタンを外し始めた。


 その指使いと、あたしがすり合わせる太ももと、うつむき加減のあたしの表情・・・そういったものすべてに、荻原さんの熱い視線が注がれているのがわかる。


 まるで、コップ一杯に注がれて表面張力しているようなお酒に口を近づけて、一適もこぼさずに味わおうとしているようだった。
 

 ああ、これ、これよ。
 あたしは思った。
 思ったとおりの人だわ、荻原さんって。


 「・・・恥ずかしいだろう・・・?」荻原さんがもごもごと言う「・・・ほら、こんな羽目になるなんて、後悔してるだろう?」
 「え・・・いえ、はい・・・いや、いいえ・・・そんな・・・」曖昧にもほどがある返事をしてみる。
 「無理しなくてもいいよ。君は後悔してるだろう・・・?・・・でも全部、君が悪いんだからね」


 ブラウスのボタンを全部外してしまって、ふわりとそれも床に落とした。
 あたしはブラいち、パンいちの姿になって・・・再び身体の前で手を合わせ、もじもじと太ももをすり合わせた。


 「・・・恥ずかしいだろう?・・・やっぱり。なんであたしがこんな目に遭わなきゃなんないの?・・・・って・・・思ってないかい?」
 「・・・え、そんな・・・」
 「ブラジャーも、外して」
 「・・・はい」


 背中に手を回して、ホックを外す。

 ふわ、と胸のしめつけが緩くなって、あたしの鼓動がさらに一段、早くなる。
 両腕で胸をかばうようにして、肩のストラップを注意深く外す・・・そんな一挙一動を、荻原さんは見逃そうとしない。


 「・・・パ、パ、パンティーもだよ」
 「は、はい」



 きた。

 パンティー”



 荻原さんが、いかにも言いそうな言い方だった。
 また、ずきん、ときた。
 こんどはおへそよりも、もっと下の部分に痛みを感じた。


 言われたとおりに・・・両腕で荻原さんの視線から身体を守るように振る舞いながら、パンツを脱いでゆく。


 すっかり脱いでしまうと、右手を伸ばして股間を隠しながら、左手で右の二の腕を握るようにして胸を隠し、中腰の姿勢で立つ。



 ・・・あたしは表情に気をつかった。



 上目遣いで、下唇を噛みながら・・・『もう、これで許してください』・・・というようなことを表情で訴えかけられるように努力した。


 「せ、背筋をしゃんと伸ばして・・・・そ、そうだ・・・気をつけ、気をつけの姿勢だ・・・・」


 小さな声で、命令口調を作る頼りなげな声。

 
 「・・・で、でも・・・」
 「・・・なんで・・・なんでこうなったかわかってるよね?・・・そう、忘れてないよね?・・・・き、君は僕に・・・返せない借金をしたんだ。・・・そうだろ?」
 「・・・は、はい・・・」
 「・・・か、返せる見込みがないんだったら・・・・しゃ、借金なんか・・・しちゃだめだよね?」
 「・・・そ、そうです・・・でも・・・」
 「・・・でも、君は借金をした。で、それを・・・か、返せないと僕に言った・・・じゃ、どうやって・・・どうやって僕の損害を埋めるの?」
 「・・・・・」


 あたしは中腰の姿勢で、必要な部分をまだ隠しながら、もじもじと身体をくねらせた。
 時折、荻原さんを見上げて、祈るような視線を投げかける。

 
 荻原さんのような男が、ますます意地悪な気分になりそうな、まるで子供が先生に許しを請うような、泣きそうな目で。



 『てめえ、ガキじゃねえんだからいまさら何甘えてんだよ

 と、思わず怒鳴ってしまいそうな顔で。


 ほんとうに自分が間抜けで、頭の弱い、安易な女になった気がした。

 さっき痛んだところからさらにおへその下、ほとんど、恥骨の上辺りにまた、ずきん、と痛みが走った。


 こんどの痛みは、痛みではなくほとんど痺れに近かった。


 「・・・・身体で返すって・・・言ったよね?」と、荻原さん「・・・好きにしていい、って言ったよね?」
 「・・・・い、言いました・・・でも・・・こんな・・・」
 「気をつけ!!!


 突然、荻原さんが大声を出してベッドから立ち上がった。
 
 ひっ、と実際マジに驚いて、思わず気をつけをする。


 「・・・ほら・・・そうだ・・・いい子だ・・・いや、悪い子だ・・・お金のありがたみがわかってない、悪い子だ・・・」
 「・・・・ま、待って・・・待って・・・くだ・・・さい」


 荻原さんがじりじりと、すり足で近寄ってくる。
 あたしはじりじりと、逃げ場の無い壁のほうへ、後ずさる。


 「・・・だめだ・・・今日、僕は君を自由にできるんだよ。君、僕にいくら借りたか、わかってる・・・?」
 「・・・・・」また胸を両手で庇いながら・・・下半身は丸出しだったけど・・・唇を噛んで顔を背ける「・・・・さ、30万・・・です」
 「そうだ・・・30万円。僕の一ヶ月分の給料だよ?・・・え?僕は、そのお金のために、一ヶ月も、身を粉にして働かなきゃならない。・・・わかるだろ?」
 「・・・・でも・・・あたし・・・・」
 「でも、あたしじゃないだろ!!!ほら!!!」
 「・・・・あっ、いやっ・・・・んんっ!!!」

 荻原さんがあたしを抱きすくめた。

 すばやく顎をつかまれて、唇に吸い付かれる。
 すかさず、舌が入ってきた。
 そのまま、口の中を、好き放題に舐りまわされる。
 

 頭の中が、じーん、と痺れた。
 頭の奥に穴が開いて、そこから新鮮で冷たい空気が入ってくるみたいだった。


 こんなこと言うと本当に変だと思われるかも知れないけれど・・・それだけで、溢れそうになった。


 長い、長い、強引で、ひとりよがりで、闇雲なキスが続いて、ようやく荻原さんが唇を離す。


 「・・・どうだ?イヤだろう???
 「・・・んっ」顔を背けようとしたけど、顎を掴まれた。
 「・・・どうだ?・・・僕みたいな男と、こんなことするのはイヤでイヤでしょうがないだろう??」
 「・・・・そ、そんな・・・・あ、あうっ」
 

 今度は荻原さんの唇が、首筋に吸い付いてきた。
 首筋から鎖骨へ、鎖骨からおっぱいへ・・・荻原さんは夢中で吸いまくりながら、まるで呪文のように言葉を続ける。



  「・・・ほら、イヤだろう?・・・これが、これが30万円の・・・リ、リスクだよ・・・き、君だって・・・僕みたいな冴えない男に、こんなふうに自由に身体をねぶりまわされて・・・死ぬほどイヤな気分だろう?・・・ほんとは彼氏にしか・・・イケ面の彼氏にしか・・・・こ、こんなことはさせたくないだろう?・・・・・・悔しいだろう?・・・つらいだろう?・・・悲しいだろう?・・・ほら、ほら、どうなんだ?」
 
 
 まるで、自分に言い聞かせているみたいだった。
 あたしの頭は、ますます痺れてきた。
 あたしの乳房をべろべろと嘗め回す荻原さんを見下ろす・・・醜悪きわまりなかった。


 餌にがつつく下品なブタそのものだった。

 

 でも彼の繰り出す言葉のみみっちさを感じれば感じるほど・・・
 彼のあさましい、醜い姿を見れば見るほど・・・
 あたしの頭は痺れ、身体はとめどなく溢れ続けた。



 これよ。これ。
 こうでないと。
 こうでなきゃ。



 あたしは演技だと悟られない程度に、軽く抗いながら・・・それでも肉体的にはさもしい感覚を受け入れてしまう、悲しい女のサガ、的なものを必死で表現した。
 表現した、というのはちょっと嘘だ。
 さもしい感覚のほうは、自分が今感じているしびれるような快感に任しておけばよかったのだから。



 「・・・・ほら、どうだい?・・・君は今、30万円のツケを払ってるんだよ・・・まだまだ、まだまだこんなもんじゃ足りないよ・・・僕の一ヶ月分の働きが・・・僕の一ヶ月分の働きがどんなものか、・・・・き、君の身体に、教え込んでやる・・・お金の大切さを・・・その身体に刻み込んでやる・・・・ほら、どんなことをされるか、想像しただけでゾッとするだろう・・・?・・・頭から僕を追い出そうとしても無駄だからね・・・ほら、どんなに目を閉じて、頭の中で僕とは正反対の、さわやかなイケ面の彼氏を思い浮かべてもムダだよ・・・今、君の身体をもてあそんでいるのは・・・僕なんだ・・・君に30万円を貸した、債権者の僕なんだ!!」
 「・・・・い、いやあっ!!・・・んんんんっ!!」

 荻原さんが、あたしの左乳首に吸い付いてきた。
 そのまま彼はあたしの身体を反転させると、ベッドのところまで押していき、どん、と突き飛ばすように投げ出した。


 「・・・ほうら・・・30万円分、今晩はたっぷり楽しませてもらうよ・・・一銭も無駄にしないから覚悟してね・・・さあて・・・まずは最初の5000円分、誠意を見せてもらおうか・・・」


 あたしはベッドの上で仰向けになりながら、荻原さんがズボンのベルトを緩めるのを見ていた。
 


 ベッドサイドには錠剤のシートがひとつあって、2錠分が空になっていた。
 つまり・・・あれは・・・その、男性が元気な状態を保つための、その類の薬なのだろう。



 ああ、なんていじましいんだろう。



 あたしは『もう許して・・・』の表情を崩さぬようにしながら、じりじりと全身を駆け巡るしびれに身もだえしていた。


 あたしは間違ってなかった。
 荻原さんは、あたしが思ってるとおりの男だった。
 

 30万円の借金を申し込んだとき・・・荻波さんの目が、眼鏡の奥で・・・暗く、かすかに歪んだのを見た。

 
 たぶんあの時点で荻原さんは・・・今していることの青写真を頭に描いていたのだろう。
 あたしの借金が、お金では返ってこないことは、彼にも十分わかっていたはずだ。
 
 
 もちろん、あたしも荻波さんにお金を返すつもりなどさらさらなかった。



 一ヵ月後、お金を返せないことを告げたときの荻原さんの表情を思い出すと・・・。

 だめだ。また、とんでもなく溢れてきちゃった。

 すりあわせた内腿が、ちょっとぬめっていた



 「・・・・ほうら・・・・まず、誠意を見せてもらわないと・・・言っとくけど・・・これは利子分だからね・・・ちゃんと誠意を見せないとだめだよ・・・」


 凶悪なまでに張り詰めて、赤黒く鬱血し、ひくついている債権者の先端が、あたしの鼻先で熱いよだれを零していた。


 あたしはまた、『お願いだから許して・・・』の顔を作り、一旦荻原さんの(ニヤけた)顔をしばらく見上げると・・・観念したように目を閉じ、唇をそっと開いた。


 
 あ、借りた30万円・・・?



 今日履いてきたパンツを買って、残りは『あしなが育英基金』に寄付した。


【完】














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